失業保険（失業給付）は、失業した際に一定期間、生活を支えるための給付金です。これは雇用保険に加入している労働者が対象で、一定の条件を満たすことで受給できます。

■失業保険の目的
失業保険は、失業した場合に収入が途絶えることで生活が困窮するのを防ぎ、次の仕事を見つけるまでの間の生活を支援するための制度です。また、労働市場における安定を図り、再就職活動をサポートする役割も果たしています。

■受給資格
・雇用保険に加入していること：雇用保険に一定期間（原則として過去2年間で12か月以上）加入している必要があります。
・求職活動を行っていること：ハローワークに求職の申し込みを行い、積極的に再就職のための活動を行っていること。

就職促進給付は、失業している方が再就職を促進するために支給される給付金です。再就職活動を支援し、スムーズに職場復帰できるよう設けられた制度です。

■再就職手当
再就職手当は、失業保険の受給中に安定した職業に早期に再就職した場合に支給される手当です。この手当は、失業給付を早期に終了させたことで節約された保険料の一部を受給者に還元するもので、早期の再就職を促進する目的があります。

■就業促進定着手当
就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った方が、新しい職場で6か月以上継続して就業した場合に支給される手当です。この手当は、再就職後の職場定着を促進し、安定した雇用関係を維持するための経済的支援を提供するものです。

■就業手当
就業手当は、失業中の方が再就職を早期に果たした場合に支給される手当です。これは、失業手当（基本手当）の支給日数がまだ残っている状態で短期の就労に就いた場合に受け取れるもので、早期の就業を奨励し、安定した職業生活に復帰することを支援する制度です。

求職者支援制度は、失業中の方や非正規雇用者などが、職業訓練を通じて新しいスキルを習得し、再就職を支援するための制度です。この制度は、雇用保険の受給資格がない方や、失業手当の受給期間が終了した方などが対象となります。

■求職者支援制度の目的
求職者支援制度の目的は、就労意欲がある求職者が、職業訓練を受けて必要なスキルや知識を習得し、再就職を果たすことを支援することです。これにより、労働市場における人材の流動性を高め、安定した雇用を実現することを目指しています。

■受給資格
・雇用保険の受給資格がないこと:雇用保険の基本手当を受給していない、または受給期間が終了した方。
・就労意欲があること:積極的に就職活動を行う意思があり、訓練期間中も継続して求職活動を行うこと。
・訓練コースに適した受講条件を満たしていること:訓練コースごとに設定された受講条件（例：学歴や経験年数など）を満たしていること。

求職者支援資金融資制度は、再就職や新たなスキル習得のために職業訓練を受ける求職者が、訓練期間中の生活費を補うために利用できる貸付制度です。この制度は、雇用保険の受給資格がない求職者や、受給期間が終了した方を対象にしています。

■求職者支援金融資制度の目的
求職者支援資金融資制度の目的は、職業訓練を受ける求職者が訓練期間中の経済的な負担を軽減し、安心して訓練に専念できるよう支援することです。

■受給資格
・求職者支援制度の訓練受講者：求職者支援制度の職業訓練を受講していること。
・収入および資産要件：所定の収入および資産要件を満たしていること。具体的な要件はハローワークで確認できます。
・訓練期間中の出席率：訓練期間中、出席率が80%以上であること。

傷病手当金は、健康保険に加入している被保険者が病気やケガで働けなくなった場合に、生活を支えるために支給される給付金です。

■傷病手当金の目的
傷病手当金は、病気やケガで働けない期間の収入を補填し、経済的な負担を軽減するための制度です。この給付金により、療養に専念し、早期の回復を目指すことができます。

■受給資格
・健康保険に加入していること：健康保険に加入している被保険者であること。
・業務外の病気やケガであること：労災保険の対象となる業務上の病気やケガは対象外です。
・連続する3日間の待機期間：労務不能の状態が連続して3日間以上続いた場合、その4日目から傷病手当金が支給されます。
・働くことができない状態であること：病気やケガにより仕事ができず、その状態が継続していることが必要です。
※傷病手当金と失業保険（失業給付）の併給はできませんのでご注意ください。

未払賃金立替払制度は、事業主が倒産した場合に、労働者が受け取るべき賃金や退職金が支払われない状況を救済するための制度です。この制度では、未払いとなっている賃金の一部を国が立て替えて支給します。これは労働者の生活を守るために設けられた重要なセーフティネットです。

■未払賃金立替払制度の目的
未払賃金立替払制度の目的は、倒産した企業の労働者が未払いの賃金や退職金を受け取れず、生活に困窮することを防ぐことです。この制度により、労働者の権利を保護し、経済的な安定を支援します。

■受給資格
・事業主の倒産：事業主が法律に基づく倒産手続き（破産、再生手続きなど）を開始した場合、または事実上の倒産状態にあること。
・未払い賃金があること：倒産によって未払いの賃金や退職金があること。
・倒産前6か月以内に退職した労働者：倒産の6か月前の日から2年以内に退職した労働者であること。

広域求職活動費は、失業中の求職者が広範囲にわたる求職活動を行う際に、交通費や宿泊費の一部を補助する制度です。この制度は、求職活動のために通常の通勤範囲を超える移動が必要な場合に利用できるもので、経済的負担を軽減し、求職活動を支援する目的があります。

■広域求職活動費の目的
広域求職活動費の目的は、求職者が広範囲にわたって積極的に求職活動を行うことを支援し、適切な職業に再就職できるよう経済的なサポートを提供することです。

■受給資格
・求職中であること：ハローワークに求職の申し込みをしていること。
・通常の通勤範囲を超える移動が必要な求職活動：通常の通勤圏を超える地域での求職活動を行う必要があること。
・ハローワークの指示に基づいた求職活動：ハローワークの指示や助言に基づいて行う求職活動であること。

特例一時金は、災害や事故など特別な事情により急に失業した際に、失業手当（基本手当）を受給できない方々に対して、生活の安定を図るために支給される一時的な給付金です。この制度は、予期せぬ事態によって収入が途絶えた場合に、一定期間の生活を支えるために設けられています。

■特例一時金の目的
特例一時金の目的は、災害や事故などの特別な事情により急に収入が途絶えた方々の生活を支援し、安定した生活を続けられるようにすることです。

■受給資格
・特別な事情による失業：災害や事故など、特別な事情によって急に失業した場合であること。
・失業手当の受給資格がないこと：雇用保険の基本手当を受給できない方が対象となります。
・求職活動を行っていること：ハローワークに求職の申し込みをして、積極的に求職活動を行っていること。